感動した!っていうか燃えた!っていうか疲れた!あー面白かった。北京五輪アジア予選 日本vs韓国(4-3)

 いやあ燃えましたねえ、この試合。野球もまたサッカー同様圧倒的な力の差でないと、必ず勝てるとは限らないスポーツです。初戦のフィリピン戦は10-0のコールド勝ち。こんなの勝っても(フィリピンには大変失礼な言い方になってしまい申し訳ないですが)あんなにおおげさに報道するのは聞いてて気恥ずかしくなります。
 しかし今日の韓国戦は、負ければ韓国が五輪行きの切符を手にする。切符は1枚しかない。明日の台湾戦で勝っても日本は2位で、次の世界予選で出場権を取りに行かなくてはならない、という大事な試合でした。

日本はすごいチームです、ほんとに。

 メンバーを見たら、まずピッチャーは文句のつけようがない。すごいメンバーです。これでMLBに挑戦したら、リーグ制覇くらいは可能かもしれないと本気で思いますね。先発はダルビッシュ、成瀬、涌井、川上。ブルペンは岩瀬、藤川、上原。ほかにもいるのかな(ロッテの小林宏之とただ一人アマチュアの愛工大・長谷部がいました)? 落選が高橋尚、渡辺俊介、横浜の相川ですからね。
 捕手もすごいですね。里崎、矢野、阿部慎之介。もう言うことありません。内野もWBCでお馴染みの西岡、川崎、宮元、新井、さらにセ・リーグのホームラン王・村田に日本一の中日から井端、荒木。外野にはパの首位打者・苦労人・稲葉に日本代表ではお馴染みの西武・和田。中日のラッキーボーイ・森野に、ロッテのサブローこと大村。そしてヤクルトから200安打男・青木。この24人。
 バッターのほうは、MLBからの召集が難しいのでしょう、イチロー松井秀松井稼、井口、田口、誰一人入っていないので、ちょっと小粒な感は否めませんが、その分ぴりりと辛さの効いた充分に闘えるチームだと思います。強いて言うなら中日や日ハムをさらに良くしたようなチーム、MLBならスモールベースボールを掲げるエンジェルスに匹敵すると思います。

手に汗握るとは、まさにこういう試合です。

 先発の成瀬がいきなりホームランを打たれましたが、その後はしっかり抑えました。逆に攻撃陣がその裏(2回)すぐに同点、逆転してくれて、常にリードを保って試合を進めたのが大きかったですね。といっても点差は1点。加点すると韓国も加点するという精神的にタフな試合でした。
 星野監督の継投は本当に見事でした。川上、岩瀬と実力のあるピッチャーが、国際試合に付き物のストライクゾーンや審判の判定に悩まされ、毎回のようにランナーを背負い、ピンチになりながら、最後はズバッと三振で同点にさせない。この二人の投球にはほんとにしびれました。
 韓国の抑えのエースといわれる、ちょっとボストン・レッドソックスのガニエ風の、メガネをかけた大男の速球投手ハン・キジュにすっかり抑えられ、とにかく苦しくて1点追加点が欲しかった8回、初めて円陣を組んで気合を入れた直後、粘って粘って稲葉がタイムリーヒット星野監督も「あの1点が大きかった」としみじみ言ってましたが、あれはもう感動しましたね。稲葉のガッツポーズ。日本シリーズが散々な結果だっただけに鬱憤を晴らすようなすばらしいヒットでした。
 星野監督が一番褒めたのは上原でしたね。9回のマウンドは1年限りの抑え(来年もやる気だと言うような報道も目にした気がしますが)で今年32セーブを上げた上原でした。国際試合無敗の実績はダテではありませんでした。川上、岩瀬のそれまでの苦労がなんだったのかと思うくらい、冷静でした。コントロールが最高でしたね。1番から始まった3人を、完璧に、抑えて見せました。「あいつは大した男だよ」星野監督のこの言葉は上原にとっても最高の賛辞でしょう。
 みんな本当にいい顔してました。シーズン中だってなかなか見られない顔です。王監督の下一体となったWBCを思い出しました。あのチームも本当にすばらしい熱いチームだったけど、この星野JAPANも負けず劣らずいいチームになってきました。
 あとは台湾戦。油断することなく勝って兜の緒を締めてもらいたいですね。星野はやっぱりいい監督だわ。