高原の2発にはグッときました! アジア・カップ 1次リーグ 日本対UAE(3-1)

 1戦目を引き分けただけなのに、なんだかもう1次リーグ敗退の瀬戸際にいるかのような報道が飛び交い逆に注目度の高まったこの試合(オシムの試合後の怒りや、通訳がミーティングで泣いた(なんで?)とかいうエピソードがこれに拍車をかけたと思われます)。
 すでに語りつくされていると思うので、このブログで書く必要もないだろうけれども、代表の試合で久しぶりに心揺さぶられたので、やはり書いておこうと思います。
 だいたい日本はどうみてもこのレベルでは強い。仮に1次リーグで敗退するようなら、しょせんその程度の力しかないわけで、ふんどしを締めなおす必要があるというだけの話だと私は思ってました。が、しかし、実際には強いと信じていたので、「1次リーグを突破できないわけがない」と全然心配じゃありませんでした。

日本に初めて出現した世界レベルのストライカ

 俊輔が「もう日本のレベルじゃない」と語ったように、高原の決定力は一分の余地もなく世界レベルであると、この試合の2点で証明されたと思います。2点ともグッときました。こういうストライカーは日本に初めて出現したといっても過言でない気がします。カズは本来のストライカーではないでしょうし(それでもAマッチ56ゴールで歴代2位)、いい時の久保は近いレベルにいたかもしれないとは思います。ひょっとしたら釜本はそういうストライカーだったのかもしれないという考えが頭をよぎりましたが、ほとんどプレーを見ていないので。
 1点目は俊輔から。ワンバウンドのボールを滑り込んで蹴り上げたにもかかわらず、ゴール前のディフェンダーの頭をぎりぎり飛び越えてきました。なんというカンペキなセンタリング。高原のヘッドはこれにドンピシャでヒット。まったく無駄というものが感じられないすばらしいゴールでした。
 2点目は右足。これもすごかった。加地からのパスをトラップして身体を半ひねり、ゴールを向いた瞬間最短距離で右足を振り抜いた。その動きの速さに見とれました。
 遠藤がもらったPKを俊輔が決め3-0。1点取られたのは余計でしたが、全体的にはなかなかいい出来だったと思います。いや暑さと湿度を考えれば相当がんばったといってもいい。後半終盤は10人になった相手が追いかけてこない中、飼い殺し的ボール回しで−−オシムはこれについて自慢げに支配率95%とか言ったと報道されていますが、数字が事実だとしても見ているほうにはまったく面白くなかったし、自慢するようなことでもないと思います−−まあ横綱相撲であったのは確かです。
 体調を崩していたとかで自ら申し出て後半22分高原が交代するまでのざっと70分は久しぶりに至福を感じた代表の試合でした。

蛇足。試合後のインタビューについて。

 今回も、カタール戦の後オシムが怒りをぶちまけたのと同じインタビュアー(2人目、川口にインタビューしたのはNHKのアナウンサーだと思います)でした。彼の声から察するに、いつだったか中田ヒデが「さっき言ったでしょ?話聞いてないの?」と再三怒りをあらわにしたインタビュアーと同じ方のように思います。視聴者としても、オシムのインタビューは勿論聞きたいんだけど、また怒り出すんじゃないかと気が気でなく、リモコンの選局ボタンを押す準備をしながら見なくてはならない。
 公平に見て、確かに彼は言葉を変えて同じことを何度も−−つまり試合の感想だったり、結果に対する評価だったりですが−−聞いている気がします。勝ち試合では笑って済ませても、負けた試合について何度もそんなことを答えるのは苦痛にちがいないとわかるはずだと思うのですが。100歩譲って、視聴者にはわからない彼なりの正当な事情があるのかもしれませんが、もうそろそろ何か工夫があってもいいだろうと思います。負け試合でも、オシムが落ち着いて話が出来るようなインタビュー(かなり難しい仕事であるだろう事は認めます)を期待しています。