US OPEN 4回戦。錦織対デル・ポトロ(3-6、4-6、3-6)。敗れはしたが、4大大会2試合目でベスト16。
いやあ、本当に残念でしたね。第1セット相手のサービスをブレイクして3-0となったときは、「これはいけるぞ」と思いましたが、相手もさすがに第17シード。直前までのハードコートの大会を4連続優勝22連勝で乗り込んできたというだけありました。
デル・ポトロは意外と器用な選手でした
198センチでビッグ・サーバーということなので、もっと大味な選手かと思っていたら、さにあらず。なかなかに器用で堅実なプレーをする選手でしたね。立ち上がりはミスが目立ちましたが、4ゲーム目からは逆に錦織以上にミスが少なかった。ただし、そこはあの体ですから、見るからに球は重そうな感じでした。
どんなスポーツでもそうですが、力のある選手に押され続けていると、結局そのダメージが後半になるほど効いてきてやられてしまうということはよくあります。フェレールとのハードなゲームの後なので、錦織の体調もおそらくもう一つでしたが、それと同じくらい、あの重い球を正確にコントロールするのに苦慮していた気がします。自分のミスによる大事なポイントでの失点が多かった。
錦織は自分のテニスを最後までやりきった
ただ、今日の試合も私は良かったと思います。なぜなら彼は彼のプレー・スタイルでやりとおしたと思うし、最後まで積極的なプレーを続けていたからです。うまくいかなくても、今まで以上にネットに詰めたし、相手のセカンドサーブでは、回り込んでのフォアハンドを思い切ってライン際にたたいていました。この日は残念ながらアウトになってしまうケースが多かったけれども、自分のプレーを積極的にしようという姿勢は素晴らしかったと思います。自分のプレーと違う形で負けたら、次に何をすればいいかわからなくなってしまいますから。ここまでの戦いでやっていることは間違いないし、錦織のいい時のプレーが世界のトップに通用することがわかったわけですから。