2009テニス・フレンチ・オープン男子決勝。フェデラー対ソダーリング(6-1、7-6、6-4)。
フェデラーがとうとう全仏を制しました
決勝の相手がナダルでなかったのは少々残念ですが、そのナダルをまさかの勝利で下したソダーリングを圧倒的な力の差で、3-0のストレートで破り、ついに全仏を制しました。
これで史上6人目の生涯グランドスラムを達成。スランドスラムのタイトルも14(全英・全米が各5回! 全豪が3回。そしてこの全仏)となり、ピート・サンプラスの記録に並びました。
ナダルの願い、かなう
4年連続の決勝進出ながら、過去3年間すべてナダルに敗れ準優勝でした。ナダルが4回戦で敗れるとはよもや思いましませんでした。ソダーリングなんて正直まったく知りませんでした。フェデラー自身が「彼はインドアでは恐れられている存在だし、ビッグサーブを持っている」と。しかしまあ伏兵と言っていいでしょう。そのプレースタイルならふつうは赤土より柴が得意なはずで、クレーコートの大会でファイナル進出は、全仏どころか、今まで一度もないという選手なんですから。
ナダルは敗れた後言ったそうです。
「ぜひロジャーに優勝してもらいたい」
この心理を推し量るのはなかなか難しいですが、フェデラーは見事にナダルの願いをかなえたのでした。
ナダル、ソダーリング
ナダル対ソダーリングはそんなわけで興味もなく見てません。ナダルは故障などではなかったようですね。完敗だったみたいです。気の緩みでしょうか。ナダルのあの熱くて高いテンションですから、それは同じレベルをキープし続けるのは並大抵のことではないと思います。そういう日が来ても誰も彼を責められないでしょう。
一方、ソダーリングはナダル以外にも第14シードのフェレール、第10シードのダビデンコ、第12シードのゴンザレスをいずれも撃破しての決勝進出はフロックと言うことはあり得ないでしょう。何か条件が少し変われば、このくらいのことは十分起こるくらいの差しかないということです。
たぶん技術もさることながら、精神的なタフさが勝負を分けている気がします。ただ一人技術でも抜け出ているのは間違いなくフェデラーでしょう。
相手が違うとこうも違う?
今日の決勝、第1セット、第1ゲームいきなりフェデラーがブレイク。第3ゲームもブレイクし、4-0となったところで、もうこの試合は決まったと思いました。第5ゲームソダーリングがやっと自分のサービスゲームをキープしましたが、フェデラーのサーブ、ストロークは、例年のナダル戦とは比べ物にならない正確さに思えました。ソダーリングを明らかに圧倒していて、「勝負は下駄を履くまでわからない」という言葉は肝に銘じつつも、よほどのことがない限りフェデラーの勝利は動かないと思ってしまいました。
ナダルが相手だったら、こうはいかなかった気はします。
フェデラーと国歌
というわけですっかり眠ってしまい目が覚めたら、ちょうど第3セット。まもなくマッチポイントというところでした。あっさりと勝負は決まり、フェデラーは泣き崩れました。ローランギャロスの空もすっかり雨模様に変わってました。
国歌が流れるんですね。他ではこういう演出はなかったんじゃないかな? 個人スポーツでプロの試合。何故?と違和感を感じていたら、これを聴いてフェデラーはボロボロ泣いてました。どういう涙なんだろう。デビスカップならまだわからないでもないけど。
男子テニスの展望
ソダーリングのスピーチを聴いて、「なんて素直でいいやつなんだ」となんだか拍子抜けしました。ロジャーは僕にとって最高の選手で、今日は最高のレッスンになったなんて言ってました。
それにしても、最近の男子テニスはどうも地味な選手が上位に多くて、つまらないですよね。ダビデンコとかジョコビッチとか。チラッとしか見てないのであまり自信を持っては言えませんが、地元フランスのモンフィス、マチューと言った選手は注目らしいです。
ここは一世代跳びこえて、初めて4大大会で4強入りしたデル・ポトロ、そしてもちろん我らが錦織圭に期待したいですよね。錦織はすでに故障のため全英欠場も発表してますが、骨折ではいたしかたありません。
その全英は、もうすぐ6月22日から始まるそうです。
■WOWOWテニス情報 :http://www.wowow.co.jp/tennis/index.html
■錦織圭 公式サイト :http://blog.keinishikori.com/index.html