三浦敬三さんのご冥福をお祈りいたします。

 1月5日、私の敬愛する三浦敬三さんが亡くなりました。享年101歳。数年前にテレビで敬三さんの特集番組を見て「この人はすごい人だ」と思っていました。
 100歳と言えば、思うに普通に暮らすだけでも大変だと想像するのですが、敬三さんは現役のプロスキーヤーです。何年か前に奥様を亡くし、お子さんたち(ご存知のとおり、息子さんにはあの三浦雄一郎氏、お孫さんにはフリースタイルスキーの五輪選手だった三浦豪太さんがいます)一緒に暮らそうと言うのを断り、一人で食事を作り食べ、規則正しくスキーのための訓練をされていました。それはもう大げさでなく信じられない暮らしぶりで、驚きました。どうやったらこういう人になれるだろうか、と。
 これもテレビ番組になっていましたが、昨年は100歳の記念にフランスのアルプス氷河滑走にチャレンジされました。それは周到に準備されたにもかかわらず、ワックスが合わず体力を消耗し途中お孫さんにおんぶされることになり、見事滑走されたものの、とても悔しそうにされていた姿が思い出されます。言葉を選び説明される雄一郎氏の優しさ、それに従う敬三さんの確かなリスクマネジメントにも感銘を受けました。本当に山の恐ろしさを知っているプロであり、「人生ままならないこともある。そのときは撤退して、再びチャレンジしよう」というしなやかな強さ。勇気とは何か、生きるとはどういうことなのか、ということを教えていただきました。