ベッカム登場!

イングランドパラグアイ(1-0)

 結果的にはガマラのオウンゴール1点のみですが、試合内容はイングランドが圧倒していました。なんといってもすばらしかったのはベッカムです。右足のクロスの精度にはあらためて目を見張りましたが、それ以上に、後方から敵を追い続ける姿にキャプテンとしての気概を感じました。マルタ戦後、中田が「走らなきゃ、サッカーにならない」と言ったそうですが、ベッカムの姿に、それがサッカーの鉄則なのだとの思いを持ちました。
 それとベッカムにせよ、オーウェンにせよ、球を受けてから蹴るまでのスピード−−つまり状況分析と判断力−−の速さがすごい。スポーツに限らないと思いますが、そこに一流の証を見た思いがします。
 DFのメンバーもすごいですが、ジェラード、ランパードの攻撃力にも圧倒されました。クラウチの高さも利いてましたね。しかも彼は足も器用です。K-1のセーム・シュルトを思い浮かべました。
 ひとつ気になったのは、シュートの精度です。オーウェンの足元にほとんどボールが入らなかったこともありますが(オーウェンはしかも途中交代)、ランパードやジェラードのシュートはほとんどゴールマウスの枠を大きく外れていました。もちろんプレッシャーの違いを考慮に入れなくてはならないのでしょうが、ドイツのミドルシュート2発の精度と比較するとやや物足りない気がしました。ただ彼らの実績からすれば次戦以降には大いに期待が持てます。
 というわけで、イングランドが今大会の優勝候補の強力なチームの1つであることを証明したゲームだったと思います。