駒大苫小牧はいいチームだなあ。

 調子の上がらない田中を温存して、ほとんど公式戦の経験のない2人のピッチャーを送り出した駒大苫小牧。一時は1-7の劣勢から、こつこつと点を返して8回には8-8の同点。9回表青森山田が1点を取り、8-9で9回裏へ。しかし、中沢のホームランで同点においつく。そしてピッチャー田中のヒットで、2アウト1塁。延長かと思ったところで、三谷のセンターの頭を抜く長打が出て、逆転サヨナラ勝ち。
 いったい何本ホームランを打ったろう。青森山田もいいチームだったが、その集中力といい、技術といい、あきらめない強い気持ちといい、実力は圧倒的に青森山田を凌駕していた。
 田中ばかりがクローズアップされるが、打線のつながりといい、お互いを補い合おうとする意思といい、駒大苫小牧は、チームとして高いレベルで機能している。
 8回の逆転のチャンスで、1アウトランナー2塁。セカンドランナーがショートゴロで3塁に突っ込みタッチアウトになった。こういうミスはいただけない。青森山田のピッチャー野田はみるみる自信を失ってきていて、外、外ばかりを攻め、ストライクが入らない。押せ押せの展開でまだ逆転の望みは大いにあると思っていたが、このプレーを見て一瞬嫌な予感がした。
 しかし、そんなものは簡単に吹き飛ばした。監督さえ、その粘りに思いもよらなかったと言うほど、このチームは力を漲らせている。ミスもあるけど、そんなものは鮮やかに帳消しにする圧倒的な力を持ったチームにちがいない。北海道の人たちが「元気をもらった」というのはもっともだ。こういうチームがある北海道の人がうらやましく思えるほどです。