駒大苫小牧はすごいなあ。

 この試合も、5回まで東洋大姫路の左腕飛石君の前に、1安打の0-4。ヒットも打てなければ、点も取れていない状況はチャンスもないわけで、同じく大量点を先行されたといっても前の試合とは違い、逆転に向けた足がかりが見出せていなかった。だが、まだ6回。「ここで1点でも取れば逆転の可能性はまだまだある」と思って見ていた。
 そう思わせるところが駒大苫小牧を応援する者を熱くさせる(なんてことは駒大苫小牧ファンには既知のことにちがいないですね)。しかも、期待通り点を取るのである。人々が往年の長島に、応援し、熱くなったのと同じ気持ちじゃないだろうか。期待を裏切らない。
 その力の源は何だろう? この選手たちはものすごい練習をしてきたに違いない、とまず思う。誰よりも、どこよりも練習してきたという自信が、集中力を生む。あきらめない。野球に対する集中力。失敗も重ねた分、精神の働きはより複雑さを増し、こんがらがった糸は解きほぐされ、まっすぐになったとき、以前よりもっとしなやかになる。
 6回4連打で一気に同点にすると、7回内野安打でとうとう逆転。8回裏にも追加点のチャンスがあったが、ここは東洋大姫路がファーストが気迫のプレーで防ぎ、9回表も同点のチャンスが大いにあった。
 150キロのボールを投げる主戦投手田中の調子が上がらないけれど、ある意味そんなピンチにある駒大苫小牧は、だからこそチームとしてはどんどん強くなっている気がする。
 東洋大姫路もほんといいチームだった。だんだん居ても立ってもいられなくなってきました。