ラグビー大学選手権・決勝 早稲田対関東学院(26-33)〜早稲田よもやの完敗。

 早稲田が敗れるとはよもや、思いもしなかった。前半、風下とは言いながら、ラインアウトがことごとく取れず、関東に拾われて、そのままトライというパターンが続いた。関東のキッカーはライン際からの難しいキックを、それこそ五郎丸ばりに決め、21-0。早稲田はまだ余裕があるように見えたが、関東を甘く見ていたのか。
 大学選手権で三連覇を達成したのは平尾がいた同志社だけ。力的には(おそらく)今年の早稲田の三連覇はかなりの確度だと思っていた。この数年早稲田の快進撃を支えてきた、SH矢富、SO曽我部、ウイングの首藤、菅野。FBの五郎丸。フォワードの豊田。彼らが残っている早稲田を、他チームと比較すれば、普通にやれば勝てたはずだ(と思う)。しかし、やはり史上わずかに2校目という偉業へのプレッシャーなど、心理的に複雑な影響がそこにはあるのだろう。
 思い返せば、平尾、大八木など名選手だらけだった当時の同志社でさえ、成し遂げたとはいえ、三連覇のかかった試合は慶応を相手に10-6の僅差。しかも終了間際逆転と思われたトライがスローフォワードで取り消されるという薄氷の勝利だったのだ。
 今年早稲田が負けたことで、またしても清宮の株が上がるのは、なんだか悔しい気もするが、清宮が監督なら優勝していた気がするのもまた正直な感想である。
 涙をこらえながらインタビューに答えた春口監督のコメントはいかしてた。日本選手権に向けてと問われ、「打倒サントリーといきましょう」。 早稲田の選手にこそ、打倒サントリーでがんばってもらいたいと思うのだけど。
 トップリーグでもサントリーは現在1位。監督就任1年目でここ数年低迷するサントリーを優勝させるという清宮の公約は本当に実現されてしまいそうだ。たいした男ではある。