大垣日大、たいへんなことになりました!

 「希望枠」で初出場を果たしたわが街の大垣日大高校は、あれよあれよという間に決勝まできてしまいました。
 「希望枠」というのは、選抜の対象となる秋の地区大会で優勝・準優勝に準ずる成績を収めたチームから、エラーの少ない、つまり守備力の高いチームを選ぶということのようですが、基準があいまいで、必ずしもなぜ選ばれたのかわかりにくいので、個人的には誰もが納得できる制度に−−たとえば各地区の準決勝敗退チームを集めて出場権を争うとか−−変更すべきだと思います。
 それはともかく、彼らはすごいです。準決勝の帝京、準々決勝の関西は実績も実力もあるチームだと思っていたので、決勝まで勝ち進むなどとは思いもよりませんでした。
 今日の試合を観ると、何と言っても大垣日大の安定した戦いのベースは、確かに堅い守備にあると感じました。けん制プレーの高い精度や盗塁を刺すキャッチャーのプレーなどもすばらしかったです。
 バッティングも、逆らわずに右バッターはセンターから右へ、左バッターは左へ実にナチュラルに打ち返していました。おまけに阪口監督の野球は手堅い上にも手堅い。送りバント送りバントスクイズ。そしてまた送りバントスクイズは2度失敗しましたが、相手ピッチャーのコントロール・ミスのせいにすぎず、バント自体はとても上手だと思います。
 心配なのは1人でマウンドを守る連投の森田君の肩だけですね。今日も、特に中盤は5,6点取られても不思議はないような急速とコントロール・ミスが目に付きました。この中盤を1点に抑えたことが勝因でしょう。バックもよく守ったし、森田君も悪いながら要所ではボールを低めに集めてしのぎ切りました。
 9回はこの試合で最も速いストレートを何球も投げるなど、1番から始まる帝京の打線に対して気合の入ったピッチングで三者凡退。甲子園という晴れ舞台でする野球を最後まではつらつと楽しんでいたナインの表情とプレー振りに感動しました。
 決勝の相手常葉菊川(静岡)は、東海地区大会準決勝で4-0完封負けを喫した相手。昨秋公式戦唯一の負けがその試合のはずです。
 とにかく明日は鳴いても笑っても最後の試合。森田君の肩も心配だけど、しかしこんなチャンスがまたやってくる可能性は極めて低い。彼らはまだ高校生なんだし、これが人生の最後というわけじゃないけれど、早い遅いなど関係ありません。チャンスはいつ来るか誰にもわからないし、逃したら二度とこないかもしれない。誰にとってもできることは、チャンスが来たらものにできるように常に準備を怠らないこと、ただそれだけです。秋季大会の雪辱を果たし、この千載一遇のチャンスをものにしてもらいたいと思います。