大垣日大、駒大苫小牧を応援に今年も甲子園へ行ってきました!2007・夏 1回戦


 朝6時発の列車でJR大垣駅を出発。甲子園まで2時間半ほどの旅です。広い意味でお盆休みの始まりとなる8月11日土曜日でしたが、10分ほど前に駅に着くと、既に入線していた列車は意外なほど空いていました。が、しかし、1〜2分前突然怒涛のような人波が階段を走り降りてきてあっという間に満杯となったのでした。名古屋方面からの乗り換え客だったようです。

甲子園はほんとに燃えるような炎天下でした。

 甲子園駅を降り切符売り場へ。「3塁側内野席は売り切れです」というアナウンスが繰り返されていました。運良く、大垣日大駒大苫小牧は両校ともに1塁側でホッと胸をなでおろし、1塁側特別席の購入窓口へと続くすでに長蛇の列の最後尾へ。
 なんとかチケットを手に入れ、大垣日大の試合は11時開始予定でしたが、「こりゃ早く席を確保しないとまずいぞ」というわけで、予定を変更して早々に入場しました(再入場不可なんですね)。
 中はものすごい人でごった返し、太陽はあくまで高く強烈な光と熱を放っていました。これぞ夏。屋根の下は言うまでもなく立錐の余地なく、陽射しの突き刺さる一角の、それも僅かに残った席を見つけてなんとか腰を下ろしたのでした。愛工大名電(愛知)対創価(東京)の試合の真っ最中です。
 3塁側は確かに満員状態。バックネット裏から外野まで、創価のチャンスのたびにいっせいに巻き起こる大応援。試合終了後、あっという間にガラガラとなった3塁側の席を見て、「これも創価学会組織力というものか」と唖然としました。

大垣日大×金足農業(秋田)(2-1)

 いよいよ大垣日大登場。入念に水が撒かれ、炎天下その様子を見ているのも、まだ楽しい時間帯でした。
 私たちの周りに少し空席ができ、少し遅れてやってきたお父さんを含めて7人のご一家が座られたのですが、聞こえてくる会話から、どうやら大垣日大の2塁手平野君の関係の方らしいとわかりました。少しあとで「大垣日大 がんばれ」と手書きされたうちわをおばあさんからいただき、お礼とともに少し話をしたところ、平野君はまさにそのおばあさんの孫で、あとの方もおじさんやおばさんだということがわかりました。「私たちも春の活躍ですっかり平野君のファンになんですよ」と家人が話すと、とてもやさしそうなおばあさんはとてもうれしそうに笑いました。
 試合のほうは、なかなか厳しい内容となりました。森田は春より一段レベルアップしたのは間違いなく、特徴の柔らかなフォームから繰り出すストレートは140〜145kmをコンスタントに出していました。しかしコントロールが悪く、球数は多くフォアボールも4つと多かった。
 さすがに同点のままの8回、9回は「ここまできてしまったらどうなるかわからない」と覚悟はしたものの、春準優勝の経験は彼らに一種の風格さえまとわせていました。
手馴れた攻撃で1点を勝ち越し、危なげはありましたが、なんとか森田が抑えました。終わってみれば15奪三振、1失点の力投。
 内容が苦しかっただけに喜びもひとしおでした。
 1塁側のあちこちから歓声が上がり、勿論私たちも平野君のご親戚も立ち上がり拳を突き上げ雄たけびを上げ、「おめでとうございます」と祝福の言葉をかけては、平野君のご親戚のみなさん一人一人とがっちり握手をしたのでした。
 おもいがけず楽しい観戦となりました。

金足農業の先発・高橋君はトルネード投法

 ちなみに金足農業の3塁側応援席はさきほどの創価とはうってかわって空席が目立ちました。秋田は遠いですものね。かわいそうなくらいでしたが、応援自体はがっちり気合の入ったものでした。
 それにしても先発の高橋君の投球フォームにはびっくりしました。私の大好きな野茂投手を鏡写しにしたかのような左投げのトルネード! 球速は130kmに届かない程度でしたが、コントロールは野茂より良かったかも。
 4回には大垣日大4番・大林のライナーが高橋君ののどを直撃。倒れて一瞬動けないほどのダメージだったにもかかわらず、彼は一瞬の後ボールを拾って1塁へ送球。アウトにした後マウンドにくずおれ、立ち上がれませんでした。すごい根性だと思います。その後病院で診察の結果大事に至らなかったとテレビで聴き安心しました。
 彼の投げるところをぜひまた見たいですね。

ビール売りの愛ちゃん

 第三試合、東福岡(福岡)対桜井(富山)は屋根の下の席に移動しました。屋根を支える柱がちょうど一塁ベースを隠してしまう位置にあり、場合によっては駒苫の試合の前に別の席を探そうかと思いましたが、暑さでバテ、脚も痛かったので、やめにしてそこで観戦。
 甲子園の売り子さんたちはみんななかなか感じがよくて一生懸命で、彼らを見てるのも楽しいもんです。それぞれに工夫したスタイルがあるからです。「こんなきつい仕事をなんでわざわざ選ぶんだろう」と思うようなかわいい女の子も多い。生ビールを買うにあたり、そんな彼らの中から私たちの目に留まったのは、「売らんかな」という姿勢をあまり感じない、大塚愛似の女の子でした。なかなか近くに回ってこなくて、「もう帰ったのかもなあ。別の人に頼もうか」などと話しつつ、しかし浮気せず待っていたら、やっと来てくれました。
 特に家人がその姿勢にほれこみ、彼女からは2杯×2回頼みました。2回目は「最後の2杯で、これで上がりなんです」と嬉しそうに話してました。春は「僕から買うと応援してるチームが勝つって有名なんです」みたいなことを言ってる男から買いましたが、その試合(決勝)で大垣日大は敗れ去ったのでした。

駒大苫小牧×広陵(広島)(4-5)

 それにしても、この試合は悔しくて仕方がありません。勝利まであと1アウトに詰め寄りながら、敗れてしまいました。最後は三本間に走者をはさみこれをアウトにすれば延長だったにもかかわらず、キャッチャーからの送球がそれて、結果的に3点を献上。9回裏の攻撃ではそれでも1点を返しましたが、力尽きました。
 試合前の練習から、駒苫の選手たちのふるまいは実に堂々としたもので、「さすが優勝候補筆頭、4年連続決勝進出を目指すチームだ、死角はないな」と思わせました。高校野球で勝ち続けるというのは本当に難しいことなんですね。

大垣日大、次は創価

 明日16日第2試合、大垣日大創価とベスト16をかけて戦います。このゾーンでは一番の難敵かもしれません。
 155kmを投げる佐藤擁する仙台育英も今日敗れました。帝京の高島は背番号11ですが、140km台後半のストレートをコンスタントに投げる楽しみなピッチャーです。私がここまで見た中では、森田のキレのある速球と変化球は彼らに並ぶ威力があると思います。140km台の速球をコンスタントに投げるピッチャーは彼らを含めて何人もいません。ある程度コントロールが良いことはもちろん大事ですが、速球が早いということは変化球が生きるということですから、総合的な投手力に決定的な違いをもたらします。森田はバッティングのセンスのほうがより高いのではないかと私は思っていますが、ピッチングも高校生としては相当高いレベルであることも間違いありません。早い回に大量得点差となれば2番手ピッチャーを出して森田を休ませることもできるかもしれませんが、今大会は接戦が多くて、あまり期待できそうもない。彼がほとんどすべてのイニングを投げるのは確実だし、なるだけ球数を少なくする工夫をして、ぜひこの夏は決勝まで投げきり、優勝旗を手にしてもらいたいと願っています。
 勝ち上がったときには、もう1試合できたら応援に行こうと思っています。それが決勝になることを祈念しつつ。