岡島あー、ほんとにすごいなあ。感動した!

 ワールドシリーズ第2戦、またしても岡島はすごい投球をした。第1戦はベケットが先発。
1人目の打者から2回までいきなりの4連続三振。まあそりゃあすごい投球で、こんなピッチャーを打ち崩せるチームはMLB29球団どこを探してもない。可能性があるとすれば、それはレッドソックスくらいのもんだ。9回は今やこういう場面でしか使ってもらえなくなってしまったガニエに任せたが、13-1の圧勝。
 ちなみに、これもMLBを見てる人なら、今更言うまでもないことだが、ガニエは元はドジャーズの絶対的な抑えでサイ・ヤング賞も取ったし、連続セーブのメジャー記録を持つ。ひじだかを痛め手術後復帰するも往年の威力−まさにちぎっては投げを地で行くストレートは誰にも打てなかった−−はなくなり、昨年はレンジャーズへ移籍し、おかげで大塚はクローザーからセットアッパーに。今年シーズン途中でレッドソックスに移籍してきたが、やはり見る影もない、と言うことになっている。事実打たれているが、速球はややおとなしくなった気がするとはいえ150km前後、日本ならまだ通用するに違いない。

フランコーナは勝ち試合は岡島とパペルボン以外使わないつもりと見た。

 レッドソックスにとってベケットの投げる2試合は、まずよほどのことがない限り間違いなく2勝だ。問題はあと2勝をどうするか、に尽きる。残念ながら。
 第2戦、ローテーションどおりシリングが先発。よく投げたと思う。コントロールの良さと経験は確かにすばらしいとは思ったが、正直5回持たせるのが精一杯だった。ここで岡島登板。これは予想通りだったが、まさか3イニング目まで引っ張るとは思っていなかった。前回、リーグチャンピオンシップシリーズでも同じように3イニング目にはいったが、3イニング目は1アウトも取れず2連打で塁上にランナーを2人残したまま降板。結局抑えのパペルボンが2イニングを抑えて勝った。岡島の3イニング目は何の意味も内容に見えた。それもあったから今回は2イニング、8回はティムリンかと思ったが、フランコーナは前回同様8回も岡島を投げさせた。
 これは何を意味するのか? 私はこの短期決戦、フランコーナは勝ちゲームでは岡島とパペルボン以外のブルペン投手は使わないと決めたのだと思った。5回を終えて勝っていれば、とにかく岡島にいけるところまで投げさせて、つかまったら−−そしてまだ勝っていれば−−何イニングだろうがパペルボンで行く、と。つまり他のブルペンの投手はこのワールドシリーズと言う局面では信用していないということだ。逆に言えば、岡島へのフランコ−ナの信頼感は並大抵ではないということでもある。
 その証拠に、プルペン陣は、プレイオフのどのゲームからか知らないが、みんなでペットボトルや手で調子を合わせてそこらをたたいて応援しているが、岡島ひとり少し離れて、緊張感を漂わせながら(それでもみんなに合わせておこうと言う日本人らしさで足だけ踏み鳴らしていたりするけど)試合を見つめている。他の投手は言ってしまえば勝ちゲームでは暇なのである。
 そしてポストシーズン、岡島はすばらしい。期待をはるかに上回る投球でことごとくピンチを切り抜け続けている。この試合でも2回1/3を投げて、4奪三振。ヒット、失点ともに0。しかもまた、あとを受けたパペルボンが実に生きのいい剛速球で、残りの4人もねじ伏せたのだった。
 これであと1勝を、あす松坂がものにできるようなら、レッドソックスワールドシリーズを制覇することになると思う。
 私は実は松井稼頭央のこともとても応援している。めげずにがんばってきた今シーズンここまでこれて本当に良かったなあ、と。松井のアスリートとしてのポテンシャルはイチローにも劣らないと思っている。この日も松井の目は吹っ飛んでいた。集中しているときの目である。1試合目はもっとすごかった。まだ1安打とバッティングでは結果が出ていないが、リーグ1と称される守備力の要である二遊間の一角として堅実ですばらしい守備を見せてくれているし、このままでは終わらないだろう。本拠に戻って、今度はレッドソックスも今までのようなわけにはいかないだろう。チャンスはまだある。しかし、クアーズフィールドでの3戦はすべて勝たないとチャンスは限りなくゼロになるという状況に変わりはない。
 松坂には今度こそその実力を見せ付けてもらいたいものだ。