フレンチ・オープン・テニス 今年(2008年)のナダルは強かった。 ナダル対フェデラー(3-0)

 とにかく今年のナダルは強かったですね。あのフェデラーに3-0。しかも、たったの4ゲームしか落とさなかった。まったく信じられない。確かにフェデラーのミスはいつになく目立った気がしますが、そんなにひどいテニスだとも思わなかった。やはりナダルのプレッシャーがきつい分、もしくはナダルのボールのスピードや変化がフェデラーの瞬間的な予測をわずかずつ上回った分、これに対応できなかったということなのではないかと思いました。
 もうひとつ。フェデラーは全仏のナダル戦以外ほとんど負けることはなく(全豪でジョコヴィッチに敗れはしたものの)、赤土のローラン・ギャロスを除けば圧倒的な王者である時間が少々長くなりすぎました。
 フェデラーのような完全無欠に近いプレーヤーであっても、そこはやはり「不完全な」人間という種族の一員であることを免れないということでしょう。
 まだまだ頂上へと駆け上がっていこうという意気込みのナダルとは、モチベーションを維持し続けることが格段に困難であるに違いありません思います。
 それにしても足をクロスするようにして打つナダルのフォアハンドの威力はすごかったです。あんな打ち方でもバランスが崩れない。まるでコモドドラゴンのような執拗さにも磨きがかかった気がします。
 次の4大大会で、ナダルフェデラーを下して全仏以外のタイトルを取ることができるかどうか。1強時代が終わりを告げて2強時代に移行するのかどうか。面白くなってきましたね。