北京オリンピック、とうとう終わってしまいました。とにかく無事終わってよかったというのがまずもっての感想です。

 閉会式もしっかり見てやろうと思ったのですが、開会式に比べて、私にはあまり面白いと思えませんでした。最後まで興味が続かず途中でTVを消しました。
 良くも悪くも、特に閉会宣言あたりまでは、開会式の流れをくむ演出でした。飛行機のタラップが登場し、巻物を広げたあたりの演出は、航空会社の陳腐なCMのような印象で、私にはつまらなかった。総合的にはチャン・イーモウはいい監督だと思っていますが、ときどきこういうステレオタイプな演出がある気がします。
 「記憶の塔」と名付けられた、まるでバベルの塔のような巨大な塔を中心とするパフォーマンスは、その驚異的な動き、視覚効果の派手さなどの点で、度肝を抜かれましたし、一見の価値があるかもしれません。ただ、おそらく各放送局に配布された資料どおりの解説なんでしょうが、世界中に枝を伸ばしてゆく大きな木のイメージ云々など、私には解説と目の前に展開する後継との間に違和感がありました。
 2012年開催国、イギリスはロンドンの紹介パフォーマンスには2階建ての赤いバスが登場。伝説のレッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジと注目の歌姫 レオナ・ルイスが共演した。さらにはお待ちかねのベッカムがキックオフのパフォーマンス。どうなんでしょう? 別に悪くはないけど、ロンドンへの期待みたいな感情はまったく起こらなかったですね。
 この閉会式で一番よかったのは、ひどく落ち込んでいたろうに、選手団長としてあちこちの会場に顔を出して応援し続けた鈴木桂治の笑顔ですかね。旗手を務めるために再び北京に戻った北島をはじめ他にも多くの選手が笑顔で参加してました。勝った人も負けた人も、満足できた人も悔しさをかみしめて泣いた人も、誰もが楽しんでいるように見えたことが何よりでした。いつも思いますが、なぜ直前に戻ってきてしまう選手が多いのか不思議です。