2008MLB ディヴィジョン・シリーズ第2戦 ボストン・レッドソックスvsロサンジェルス・エンジェルス(7-5)

 松坂が先発ということで、久しぶりにMLBにチャンネルを合わせた。松坂は5回でやはり100球を超え、あえなく降板。まあ、しかし、普通の試合ではないし、ちゃんと5-3と勝ち投手の権利を持ったままマウンドを譲ったことは、シーズン同様の働きとして、評価してもいいと思う。相手はレギュラーシーズン100勝を達成し、この5年で4回地区優勝を果たしているチームなのだ。5回持たずに降板するピッチャーだって山ほどいる。
 6回マウンドに上がったのは岡島。オカジも今シーズンは、昨シーズンのような活躍は難しいかもしれないと思っていたが、あにはからんや、60試合以上に登板と昨年に勝るとも劣らない働き。ヒヤッとする大きな当たりも打たれたが6回を3人で切り取る。しかし、回をまたいだ7回連打を浴びて降板。しかし相手は3番タシエラ、4番ゲレーロ。二人ともこの日すでに2安打。岡島の場合は右のほうが通用するという評価もあるが、右2人とも右打ちで一般的には不利である。まあしかし、見ていてひやひやするような球ではあった。あんなバッターに、タイミングをはずす投球が身上とはいえ、岡島のような球威で立ち向かうには、本人はもちろん、キャッチャーもピッチングコーチも、さらには監督のフランコーナもよほどの度胸がないと難しい。そこに確かな「信頼」が確立されていないと使えないだろう。
 単打2本だったのは、たぶんラッキーだったといっていいだろう。代わったサイドスローのマスターソン(初めて見た)は7回を1点に抑えたが、8回、回をまたいだところでいきなり快速フィギンズに3塁打。
 その前に8回からエンジェルスはシーズン・セーブ記録を塗り替え62セーブを達成したK.ロッドをマウンドに送っていたのだった。彼はレギュラーシーズンは1イニング以上投げたことがない。しかし知将ソーシアは−−全く当然だと私も思うが−−負けている場面でシーズン中やらなかったような起用で賭けに出た。といってもディヴィジョン・シリーズは先に3勝すればリーグ・チャンピオンシップ・シリーズに進出となるのだから、この第2戦を落とすことになると限りなく不利となる。しかも昨シーズン同じボストンに3連敗でスイープされている。私が監督でも絶対のクローザーだったK.ロッドを2イニング使うことは十分ありうる選択と言っていい。
 話を戻すとここで(スコア5-4、8回ノーアウト3塁)フランコーナが動いた。パペルボン登場である。フランコーナも負けていない。俄然試合が面白くなった。出かける予定だったが出かけられなくなってしまった。こんな面白い試合はそうないからだ。
 パペルボンは相変わらずすごかった。が、しかし、3人連続して外野フライさえ打たれてはならない状況というのは、これはもうどうにもならない。今シーズン、パペルボン対エンジェルス打者の成績が42回の対戦で2安打だとアナウンサーが言っていた。あり得ない数字だ。しかし外野フライ1本くらいは打たれても仕方がない。
 同点に追いつかれはしたが、パペルボンが完璧に抑えた後の9回、これまた信じがたいことが起こった。5番J.D.ドリューが、2塁打を放ったオルティースの代走ココ・クリスプを置いて、なんと2ランホームランを放ったのだ。シーズン後半絶好調だったとはいえ、まさかK.ロッドからホームランを打つとは! K.ロッドは打たれた直後、右腕で空を差し、明らかに外野フライだと思っていたようだ。しかし打球はぐんぐん伸びてセンタースタンドに届いてしまった。k.ロッドはまるでマンガに描かれた投手のように頭を下げ肩を落とした。回をまたいで打たれたブルペン陣は今日3人目となった。
 そして最終回。サード ユーキリスが2つの好プレーで2アウト。最後の打者も打ち取って、ボストンは今年も2連勝。私はこの2チームの勝ったほうがワールドチャンピオンになるんじゃないかと思っている。昨年はスイープされたが、今年も同じことが簡単に起こるとは思えない。次の試合、もしエンジェルスが取れば、どうなるかわからないだろう。ただ、王手をかけたボストンが有利なこともまた疑いようがない。
 シーズン途中でラミレスがドジャースに移籍して、ラミレスの大ファンである私は大ショックだったが、それでもやはりこのチームは素晴らしい。ラミレスの穴埋めを期待されて入団したジェーソン・ベイは見た目もプレーも堅実そうで、ラミレスとは正反対のような選手だが、昨日今日と大活躍。ベケットの調子がいまいちでも、ローウェルがけがで出れなくても、このチームはまだまだ強い。次の一戦が見逃せない。