2008アメリカン・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ(長い!略してALCS)第2戦 BOS vs TB (8-9)

 第1戦は先発松坂の好投で勝利をおさめたボストン。今日は昨季の大エース。ベケットが先発だったが、今年はどうもだめだ。大量リードをホームランの連発で逆転してもらったにもかかわらず、再逆転を許すなど、乱調。しかしながら岩村のいるレイズも(正直に言うけれどもレイズのことはあまりよく知らない)リリーフのホィーラーが8回2アウト3塁から信じられないような大暴投で、同点に追いつく。
 ALCS記録となる4時間を超えるゲームは延長11回裏−−すでに日付をまたぎ深夜1時半ころ−−レイズが犠牲フライでサヨナラ勝ちした。
 この前に、ボストンのティムリンの投球に対するあまりにもひどい主審のボール判定が何度もあって−−これはほんとうにひどい!審判も早く帰りたかったとしか思えない。レイズはホームチームだ−−ボストンのピッチングコーチ・ファレルが抗議して退場になっている。MLBでは本当に珍しいことだ。

岡島とパペルボンは素晴らしかった

 ここまでつないできたボストン・ピッチングスタッフの投球を冒涜するようなこういう判定には怒りを覚えるが、そんなことと関係なく、この二人の今日のピッチングは実に感動的だった。
 まず岡島、7・8回と2イニングをぴしゃりとノーヒットに抑えた。ポストシーズンに入り何度かイニングをまたいで登板する機会があったが、ことごとく2イニング目には打たれていた。この日も8回の1人目のバッターにはきわどい三塁線の当たりがあり、辛うじてファールだったが、「今日もやばいかもなあ・・」と思わず思った私とは裏腹にフランコーナは岡島を信じて投げ続けさせた。このところは1本打たれたらすぐ交代させていたので、打たれるまで、と決めていたのだろう。そして岡島はこの回も同点のまま投げ切った。今日はストレートもいつもより早かったし腕の振りも良かったと思う。

パペルボンの気合いと集中力は尊敬に値する

 マスターソンをはさんで9回2アウトからパペルボン登板。ポストシーズンは20何イニングだか連続無失点とカで、MLBの新記録だそうだが、この日も記録を伸ばした。
 投球前、下ろした目線をゆっくりとあげてキャッチャーのサインを見るときの目。その集中力と気合。今日はピッチャーライナーが左腕か背中に当たるシーンがあったが、痛いそぶりなどまったくせず、跳ねたボールを捕球するペドロイアに向かった、両足を踏ん張り大声で何か叫んでいた。ちょっと涙が出そうなくらいその姿に(というかそこまでの素晴らしい仕事ぶりを含めてですが)感動してしまった。
 10回表レッドソックスが点を入れてれば、その裏もう1イニングいく可能性もあると思ったが、残念ながら点は入らず、明日以降もあるのでここで降板したが、このパペルボンから点を取るのは至難の技だろう。それだけにパペルボンにつなぐ岡島らブルペン陣の働きが勝利に直接結びつくことになる。

ボストンのリーグ優勝を確信する

 1勝1敗となり、明後日からはボストンに戻っての試合となる。今日の試合も、再三の審判の不審な判定がなければ、ボストンが勝利していたと思う。何といってもその恐るべき打線の破壊力はすさまじい。そしてブルペン陣の安定感。もう一つ言うと、このチームは、みんながチームの勝利のために一体となっているという点が何より素晴らしいと思う。マウンドでフランコーナを迎え円陣を組んだときの感じる緊密で親密な雰囲気。投球を、試合の行方を見守るベンチの選手たちとフィールド上の選手たちとの間に流れる意識・感情の統一感。高校野球的ともいえる、こういう雰囲気がほんとにいい。
 ついでに言うならボストンではとりわけ、観客もまたこの同じ延長線上にいるように思えるのである。私の知るチームでは、野茂が入団したころのラソーダ監督率いるドジャースの数年間、そしてイチローが入団してシーズン100勝以上したころのマリナーズが同じようなチームだった。