いわば究極の選択。M1グランプリかクラブワールドカップ決勝か。

クラブワールドカップ準決勝。ガンバ大阪vsパチューカ(メキシコ)は1-0でガンバの勝利。

 試合後の西野監督のコメントの趣旨−−要するにこの試合に勝ったことの意味は「ガンバらしいサッカーを貫いてこうした大きな大会で勝利をものにできたこと自体は大きな意味があった。ガンバのサッカー、ガンバの力が捨てたものじゃないということを示せた。ただし、「世界3位」というのはいかにもおこがましい」、そんな内容だった。
 てらいのない率直な発言だったと思う。この大会のシステムからして決勝に進まないことにはあまり意味がない。負けるよりは勝った方がいいし、普段通りのサッカーをやって勝ったならなおいい。そういうことだ。ガンバがそれを成し遂げたことについては大いに敬意を払いたい。
 ガンバが来年もこの大会に出るためには、もはや天皇杯で優勝するしかない。ぜひ優勝して来年は決勝に進んでもらいたいと思う。今年のガンバは、よくよく考えたら本当にいいチームだったなあ、とこの大会を見て改めて思いました。

M-1グランプリNON STYLEが優勝。

 うちのDVDレコーダーが故障で使えなくなってしまい録画ができないため、「M1グランプリクラブワールドカップ決勝か」という究極の選択に迫られるはめとなった。3位決定戦を見て少々気分が盛り上がっていたせいか、家人の要望に素直に従うことにためらいがなかったはずだったが、「やっぱり決勝も観たいな」という気持ちににわかに火がついた。
 が、しかし今夜は家人の強くプッシュするザ・パンチが登場するということで、そこは異論の入り込む余地が全く閉ざされていたのだった。ところが、ザ・パンチは最低得点のうえ(唯一の500点台)、暫定席に残る(上位3組が決勝進出なので、暫定3位以内の間はその席に座ることができる)こともできず消え去った。かなり練習を積んできた跡がわかったが、金蝶のせいでテンポが悪い。ツボにはまれば決勝くらいはいけるかもしれないと思っていたが残念。
 我が家は「レッドカーペット」をよく見ているので、この番組に出るお笑い芸人はたいていよく知っている。M-1に出場した9組ではほかにナイツ、U字工事NON STYLE、敗者復活したオードリーあたりはおなじみである。この中では私は(結果を知って言っているわけでは決してありません)NON STYLEがかなり面白いと思っていた。さらに栃木なまりと栃木気質、その無意味な誇りと劣等感をウリにするU字工事は現在お勧めできるTOP10には確実に入る。
 大垣のショッピングセンターにWエンジンが来たときに(彼らもTOP10に入ります)、出番を待つ人ごみの中から高校生と思しき女の子たち数人が後ろで会話する声が聞こえた。
「ナイツとか面白いよね」「ナイツってどんなのだっけ?」「ほらあの、ビミョーにちがうこというやつ。Yahoo!をヤホーとかさあ。めっちゃおかしいやん」
 私はナイツのおかしさが十分わからない。レッドカーペットでのゲストの評価も高いし、この日の審査員の評価も予想外に高かった。台本はよく練り上げられていると思うし、テンポもマンU並に早い。それは認めるが肝心のビミョーに違うネタがあまり面白いとは思わない。
 しかし結局NON STYLE、オードリー、ナイツが決勝に進出した。審査員は決勝では1番面白い芸人の名前を挙げるのだが、最初の2人、確か中田カウス大竹まことがオードリーで、あとは全員NON STYLEだった。
 この結果ぐらいのバランスであることに違和感がなかったが、決勝の内容だけで見るなら私的にはNON STYLEの圧勝だった。オードリーは準決勝の方が面白かった。

決勝の後半を見る。マンチェスター・ユナイテッドvsリガ・デ・キト(1-0)

 チャンネルを変えると、まだ0-0。実況によるとマンUはビディッチがレッドカードで1発退場。1人少ない10人で戦っており、C・ロナウドを1トップにして、左サイドにウェイン・ルーニー、右サイドにはなんとパク・チソン。ガンバ戦では控えだった。
 リガ・デ・キトエクアドル)はリベルタドーレス杯獲得後、主力選手が次々と移籍し、監督のコメントでは特に「FWの穴は埋めようがない」と新聞にあったので、ほぼフルメンバーに近いマンUに対しては勝ち目はほぼないと思って、期待していなかった。パチューカ戦は観なかったので初めてこのチームの戦いぶりを見たが、そうはいってもさすがに南米の有力チームらしく技術は高くボールポゼッションはマンUを圧倒するほどだ。攻めも早いし、瞬間のスピードもある。知らない選手ばかりだが、その多くがブラジル、アルゼンチン、エクアドル、チリなどの代表経験者らしいのだから当然と言えば当然だ。特にドリブルの得意な優男風のマンソ(MF)、それから何と言ってもキャプテンマークをつけ、カタカナで名前を書いた帽子をかぶったGKが目立っていたし、事実能力も高いのではないか。GKは顔もいいし闘争心にあふれているし、Jリーグにほしいくらいだ。
 試合の方は、後半28分C・ロナウドからのパスを受けたルーニーが、ここしかないというコースに確実に流し込み1-0で勝った。この男の得点感覚、自在な身のこなし、集中力、どれも神から授かったものとしか思えない。
 それにしてもパク・チソンがこのチームでレギュラーを何シーズンも張っているというのはやはりアジア人として誇らしい気持ちになる。なんて言ってって京都サンガにいたんですからね。こんなすごい選手になるとは正直思いもよらなかった。この日のプレーも持ち味の粘り強さを出してピンチを救いチャンスを演出していた。中田や俊輔以上に、サッカー界では最も成功したアジア人はパク・チソンに違いない。