杉山愛&ダニエラ・ハンチュコバ組大逆転勝利! 燃えましたねえ。全豪オープン ダブルス準々決勝。6-7、6-3、7-6

世界ランク1位のフーバー、ブラックに逆転勝利

 セットカウント1-1後の第3セット。1ブレークダウンの状況から追いついて、ゲームカウント5-5。お互いサービスゲームをキープ。6-6からタイブレークに入りました。いやあ、この勝負をタイブレークで決めるというのはいかにも厳しいですね。どちらが勝つかは時の運と勝負へのこだわりでしょう。
 第1セットはタイブレークを1ポイントもとれずに奪われた杉山組。このタイブレークも2-6と後がないところまで追い詰められました。(見た目には)おとなしいハンチュコバに声をかけて鼓舞し続けてきた杉山でしたが、さすがにこのときは−−少なくとも画面上は−−ベンチに戻っても一言も言葉を交わさなかったように見え、「これで終わっちゃうかなあ」と思いましたが、「とにかく持前の粘りであきらめずにプレーしてくれ」とドキドキしながら祈ってました。
 相手の2人はベンチでも何かしきりに言葉を交わしていたし、コートについてからも笑顔で話す様子は「これを決めれば勝ちね。この勝負もらったわ」ってな感じに見えてしまいました。

勝負は下駄をはくまでわからない

 しかし、ここからがすごかった。ドキドキ、ドキドキの1本1本でしたが、6-6に追いついてしまいました。そのあとも一進一退ながら、チャンスはフーバー組の方に多かったと思います。しかし、しかし・・・都合7回のマッチポイントをしのぎ、とうとう2回目のマッチポイントのチャンスをものにして12-10でこのセットを奪い取り、勝利しました。
 いやあ、信じられない。杉山のガッツはすごいです。

コートのサーフィスと同じ揃いのブルーのウエアが美しかったですね。メルボルンの青い空にも映えました。

 杉山愛はもちろん伊達さん引退後の日本女子テニス界を引っ張り続けてきた人ですし、明るくて元気なキャラで私も大好きです。ダブルスでは、ご存じのとおりこの全豪を取れば、4大大会生涯グランドスラム達成ということになり、これはほんとにすごい成績です。杉山が活躍する前は、いつもアン清村&沢松和子のウインブルドン優勝が4大大会唯一のタイトルとして引き合いに出されてましたよね。
 ダブルスと言っても、世界で優勝するのは簡単なことであるはずがありません。

凸凹コンビ

 さてペアを組むハンチュコバです。シャラポワもアナ・イワノヴィッチも魅力的な女子選手ですが、単純に美しさということでいえば(まあどこまでいっても好みの問題かもしれませんが)ハンチュコバがNo.1だと思いますね。181cm・62kgというモデルと見まがうようなスタイル。それでもってシングルスでも世界ランク5位までいったことがあるほどの強さ。天は彼女に何物おあたえになったんでしょう。
 女子ダブルスで4大タイトルはとったことがありませんが、ミックスダブルスではすでにグランドスラムを達成しているとのこと(全然知りませんでしたが)。
 私の記憶によれば(記憶違いかもしれません)、前回コンビを解消した時には、ハンチュコバがシングルスに重点を置くあまりダブルスに身が入ってないというようなことだったように思います(この話はやはりキム・クライシュテルスとのことだったかもしれません)。

生涯グランドスラムをぜひこの大会で達成してほしいですね

 いずれにしても、今回「コートの外でも楽しくやれる選手はハンチュコバしかいない」と再結成したというコメントを新聞で読みました。この二人体格的には凸凹コンビですが、機敏で元気いっぱいな杉山とパワフルでクールなハンチュコバという対照的な組み合わせで、逆に役割が明確になってぴったりと凸凹がはまっていい気がします。この日の勝利で大いに勢いがついたんじゃないでしょうか。
 ダブルスの勢力図はさすがによくわかりませんが、なんといってもセレナ&ヴィーナスのウィリアムズ姉妹がいます。第10シードというのは、多分ダブルスを重視していないからでしょうが、1+1が2以下にならなければ、これは強敵でしょう。今日の試合を見る限り、他のテクニカルなペアならどこが来ても行ける気がします。