WBC 日本、韓国を延長で破って2連覇! 決めたのはやっぱイチローでした。

 3-2とリードして迎えた9回、8回途中からリリーフした杉内がマウンドに上がったが、韓国が左バッターを代打に送ったところで、日本ベンチはすぐさまダルビッシュをマウンドに送った。
 私は杉内で十分いけると思った。8回もピンチの場面で登板した杉内はアウトにしたとはいえ確かにライナー性のいい当たりをレフトに打たれた。それが首脳陣の頭に残っていたのかもしれない。
 しかし、強気のピッチング、コントロールがいいこと、経験を考えれば、杉内でいって、万が一ランナーを出すようならダルビッシュでも藤川でも良かったんじゃないかと思った。
 ダルビッシュは、韓国戦ということもあるのだろう(前回3点を奪われ負けている)、いつものように力んでしまってコースを狙いすぎ、スライダーがことごとくボール。フォアボールを出し、ヒットを打たれ同点とされてしまう。この試合のポイントは、ここを同点で切り抜けたことに尽きる。普通に投げればダルの球がそう打たれるはずはないのに。
 10回、日本はまたしてもチャンスを作る。この試合、本職でないレフトで素晴らしい捕球と送球でピンチを救った内川。いったい何本ヒットを打ったろう。この試合のMVPの1人といっていい。その内川のヒット、岩村のヒットで1,3塁の状況を作り出す。期待の代打川崎は初球を打ちあげてサードへのショートフライ。次はイチローだ。
 ここで2つ解せないプレーが起こった。まず岩村が2塁へ盗塁。えっ? そんなことしたらイチローが歩かされちゃうんじゃないの? この試合、確かに今大会当たっている青木が一度敬遠されたシーンもあった。あー、なんで? 
 いやいやしかし、韓国はイチローと勝負に出た。ええーっ?勝負すんの? イチロー的には「いただきます!」てな感じでしょう。この打席のイチローはこれまでになく集中しているように見えた。ファールで何本粘ったろうか。
 こういう場面ではかなりの確率でヒットを放つはずのイチローだが、今大会はけっこうなすすべなく打ち取られるシーンを見てきたから、「絶対打ってくれるにちがいない」という思いの反面、また落胆に終わるかもという気持ちもどこかでくすぶっていた。
 しかし、イチローはやっぱりイチローだった! まんまとヒーローの座を取り返した。センター前へクリーンヒット。結果的に岩村の2盗が生きて、2点をもぎ取ったのだった。
 結局、ダルを出して同点に追いつかれ延長、しかもイチローがここぞというところでタイムリーを放つという劇的な勝利という展開で、さらに印象に残るゲームとなりました。めでたし、めでたし。
 それにしても韓国というチームの粘りにはほとほと頭が下がります。逆の立場だったら日本はあっさり負けてたという気がしてならない。同点ホームランと言い、まあちょっと考えられない試合をいつもしますね。見ている方は、実につかれました。

 2連覇。よくわからないが松坂が2大会連続のMVP。内容から言ったら岩隈のほうが格段に素晴らしかった。この日も完投いや完封いや投球制限のなか完全試合とかしかねないようなピッチングだった。メジャーでも15勝は確実に勝てると思いましたね。
 なにはともあれ、選手、スタッフのみなさん2連覇おめでとうございました。そして原辰徳という男、本当にそういう星の下に生まれた、ツキのある男なんだなあ、と思いました。