まさに死闘でした。フェデラー対ロディック(5-7、7-6、7-6、3-6、16-14)。2009ウィンブルドン男子決勝。

フェデラー6度目の優勝

 セットカウント1-1。ワインを少し飲み、「ロディックもなかなかだな。でもタイブレークになればやはりフェデラーだろう」てなことを思いながら、そのあと寝てしまった。
 目が覚めると、1時半を過ぎていて、すでに第5セットだった。
 このあとはもうとんでもない試合を目にすることとなった。お互いにサービスキープ。本当にどちらが勝っても不思議ではなかった。途中フェデラーのショットがスイートスポットに当たらないケースが何度かあって「こりゃあロディックににチャンスがあるかも」と思う時間帯もあった。
 しかし、やはりフェデラーは冷静に勝利をつかんだ。16-14。ウィンブルドン史上最長のファイナルセットであることはいうまでもない。15度目の4大大会タイトルはサンプラスを抜いて(この試合を、なぜか途中から観戦していたサンプラスは少し太った37歳になっていた)最多となった。

ロディックの健闘に拍手を送りたい

 ロディックは見た目から違っていた。以前はテニスプレーヤーと言うよりボディビルダーと見まごうばかりだったが、さっき見たロディックはすっかり引き締まりテニスプレーヤーらしくなっていた。
 ビッグサーブは相変わらずだったが、特にフォアのショットの力強さは圧倒的で、明らかにフェデラーを上回っていたし、しばしばネットにも出るなど積極的だった。
 第3,4セットを観ていないが、勝つチャンスは大いにあったんじゃないかと思う。最終セットも積極的に攻めていた。スタミナにも差ほどの問題はなかった気がする。ただ、おそらくロディックは足が遅い気はした。
 自慢のファーストサーブのスピードが少し落ちてきたかもしれない、と解説の柳さんが話した矢先だった。徐々に相手サービスゲームをデュースに持ち込むゲームが増えてきたフェデラーがこの第30ゲームをものにした。

最終セット、先行するフェデラー勝利の女神が舞い降りた

 先にサービスを行うフェデラー心理的にかなり優位だった気がする。キープすれば、次のゲームブレークで勝てる。サービスを仮に落としても、相手のサーブを破れるチャンスが残される。まあこれは相手がロディックでは簡単ではないけれど。 
 しかしすごい試合でした。この長丁場でも二人ともパフォーマンスがほとんど落ちないところがすごい。
 観客も豪華だった。ボルグ、サンプラスに、懐かしい問題児ナスターゼ。ウディ・アレンラッセル・クロウといったハリウッド・スター。ある意味世紀の一戦にふさわしい顔ぶれだった。
 ナダルがいないテニス界ならフェデラーはすべてのグランドスラムを勝ってもおかしくないとも思う一方、やはりタイトルを守り続けることはフェデラーといえど容易ではないのだなあ、とも思ったこの大会だった。
 すごい試合でした。第5セットだけで30ゲームと言うことは、ざっと2.5セット分。やれやれ。もう寝ます。