拓郎、元気になってまたコンサートやってよ。ツアーじゃなくて名古屋4日連続公演てやつを。

吉田拓郎、倒れる」の報道にびっくり

 「最後の」全国ツアー中の拓郎が、大阪公演を体調不良で突然中止したと報道があった。詳しい体調とかはわからないけれども、気分が悪くなり名古屋で途中下車しながら車に乗り換えて大阪に向かいリハーサルをこなしたという事実からは、「最後の」全国ツアーをやり遂げることへの並々ならぬ決意がうかがえる(というか、仕事とは普通にそういうものだ、いい悪いは別として)。
 だけど、それなのに中止せざるを得なかったということはよほど調子が悪かったということかもしれない。

ゆっくりでいいから元気になってほしい

 6月21日名古屋から始まった全国10都市を回るツアー。私も名古屋公演に申し込んだがあえなくはずれた。「最後の」などと言われたら、あの「つま恋」の祭り騒ぎを持ち出すまでもなく、拓郎ファンとしてはいてもたってもいられずチケットを求めるしかない。そう簡単に当たるはずもない。
 ただ「最後」なのは「全国」ツアーだけで、1か所での連続公演とか、何か全く違うやり方を考えたいと発言してたから、「まあまた次の機会があるさ」と割とすんなりあきらめたのだった(というかほかに方法はないわけだが)。

「午前中に…」

午前中に・・・
 やっと手に入れて、これからじっくり聴こうとした矢先である。音楽雑誌か新聞かで読んだ評判はすこぶる良かったので期待していたんだけれど、ざっと聴いた感じはちょっと残念な印象だった。
 1曲目の「ガンバラナイけどいいでしょう」はタイトルからしてある意味このアルバムを象徴する曲なんでしょう。その心境は理解できる(たぶん)。でも、この歌詞はやっぱりサエナイ拓郎のパターンだという気がする。弱音を吐くのは拓郎らしくないということではない。そこに芸(毒やユーモア)がないというか歌詞が直接的すぎる。
 そのくらい参っているということなのかもしれないが、今朝ニュースで見た拓郎の名古屋公演でのMCぶりはひねくれた物言いを交えて、昔からの拓郎そのままだった。「そんなに参ってるのに強がってるのかな」と考えたら、痛々しくさえ見えた。
 顔なんかもまた少し痩せて老けたように見えたし、ちょっと神経質になった印象だった。
 
 この歌詞はもちろん、走り続けて傷ついたり疲れたりやりきれなくなったりした多くの人たちへの「いいんじゃないの。少しは休んだって。つらけりゃ弱気吐いたって。誰に気兼ねすることもないさ」というメッセージだ。個人的な心情だけを歌ったものではないだろう。
 だから、その「多くの人たち」のひとりに戻った拓郎個人は、そんなに疲れて調子も悪いなら「ガンバラナくてもいい」と私も思う。
 でも僕らの前に登場する拓郎は、やっぱり強がり、既成の価値観に悪態をつき、戦いを挑み続けていてほしい。それが僕らの拓郎だから。だから拓郎もなんとか公演をやり遂げようとした。
 ゆっくりでいいから、元気を取り戻して「元気です。」と再登場してくれるのを待ってます。