俊輔の実質的なスペインデビュー戦をWOWOWで観ました。

相手はリバプールFC

 俊輔を獲るきっかけの1つでもあった、エスパニョールの新本拠地・コルネーリャ競技場のこけら落としゲームはイングランド・プレミアリーグの強豪・リバプール
 これはもう願ってもない相手というか、やっぱりヨーロッパはすごい。しかもジェラード、フェルナンド・トーレスがきっちり先発。
 放送時間が朝方だったから録画を観るしかなかったが、久しぶりにサッカーを観るのにワクワクした。

俊輔に求められている役割は?

 左サイドというあまり見ないポジションで先発した俊輔。左サイドと言うことは、そのままのポジションでは得意の左足からのゴールは難しい。エスパニョールというチームは中盤のタレントがそろっているようなので、セルティックとは違って俊輔にはゴールよりも、中盤の攻撃オプションの充実が求められているのかもしれない。あるいは、この試合でも右サイドに顔を出すシーンもあったから、どのポジションもこなせる選手として、逆に自由な動きが許されているのかもしれない。
 いずれにしてもデビュー戦だから、監督としてもいろいろ試しているところではあるだろう。
 ゴール左からのフリーキックと右からのコーナーは昨季の司令塔デ・ラ・ペーニャが蹴った。左からのコーナーは俊輔。このコーナーキックもいいボールだった。

前半19分先制点をアシスト

 慣れないポジションのせいか、全体のスピードが速いのか、なんとなく流れの中では遅れ気味な印象だった。疲れもあるだろう。ただ、足元にボールが入ればそこは俊輔である。
 出だしからどちらかと言えばエスパニョールのペースだったが、前半19分アシストを決める。ニュースなどではおおげさな報道が目についたが、俊輔の実力・実績からしてあの程度でそれほどの大騒ぎは不要だ。
 むしろ落ち着いた確実なプレーだったというのがふさわしい。このあともう一本アシストを決めたと思われるシーンがあったが、微妙な判定でオフサイド。ノーゴールだった。
 結局チーム事情もあって前半で退いたが、名刺代わりとしては十分なパフォーマンスだったと思う。
 リバプールは本気だった。さすがにジェラードのミドルは強烈。エスパニョールは何本もバーに助けられた。結果は3-0でエスパニョールが勝ったが、かなり激しいチェックで、リバプールのもらったイエローカードはいったい何枚に上ったろう? エスパニョール、期待できるかもしれない。

観客も監督もとりこにした俊輔

 スペイン入りした空港でも、お披露目のスタジアムでも大変な人だかりで、本人も「グラスゴーのときよりすごくてびっくりした」とか言ってた。それほど俊輔への期待は大きい。
 昨季2部落ちからチームを救った若きマウリシオ・ボチェッティーノ監督の記者会見も放送の中にあり、彼は「中村の発言をいくつか聞いたが、あまりに謙虚なのに驚いた」と語っていた。