「ハービー」を観ました。

 しゃべりはしないが、人間、あるいはペットの犬のように感情表現ができるフォルクスワーゲン・ビートル(いわずと知れた車です)が主人公の映画です。
 ヘッドライトがウインクしたり、おしっこ代わりに気に入らないやつにはオイルをひっかけたりする。ビートルの持つ愛らしい姿かたちに負うところが大きいのでしょうが、それががいかにも堂に入っていて、違和感がない。CGの技術もすばらしいのだろうと思います。特に私が気に入ったのは、レース前の国歌斉唱のときのハービー。どんなだったかは実際にご覧いただいたほうがいいと思うのでここには書きません。
 そのハービーを操るヒロインのリンジー・ローハンもとても魅力的な女の子です。この役にぴったりはまってます。
 話は他愛もないものだし、ビートルを使った仕掛けも、それ自体に目新しさはありませんが、この映画は悪くない映画です。大人が観ても十分楽しめます。ファンタジーだけどつくりにやすっぽいところがほとんどないし、基本は実物のビートルだから、荒唐無稽といっても地に足が着いています。話は少年少女向けの愛と友情と冒険の物語だけど、ディズニーほどベタではない。気張りすぎていない伸びやかさがさわやかで好感を抱けます。
 20代(ではまだわからないかなあ)、30代くらいの大人のカップル、しかも彼女が車好きだったら、2人で見ればこれは相当楽しめて、ハッピーになれる映画だと思います。ハービーが黄色い新型ビートルに恋しちゃうところなんて、馬鹿馬鹿しいけど、微笑ましい気持ちになります。細部までよくできたエンタテイメントだと思います。
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