MLBオールスターゲーム。なんでこんなにワクワクするんでしょう?

オバマは普通でかっこいい

 歴代大統領で4人目とかの現役大統領による始球式登板。今年はカージナルスの地元セントルイスでの開催だというのにホワイトソックスのジャンパーを着て、Gパンで登場。
 なんというか、何にも言えねえ。カッコよすぎますね。人気取りとかじゃなく、実際にベースボールを楽しんできた彼の生活が見えた。
 肝心のボールも、「あれっ、もう投げちゃったの?」ってくらい練習みたいにさっさと投げて終わってしまった。山なりだったけどちゃんとキャッチャーのミットにノーバウンドで収まった。立派です。
 さっさと終わっちゃって、地元の超英雄であるプーホールズがボールを持って、たぶん大統領にボールを渡そうとしてるんだと思うんだけど、どんどん行ってしまって、関係者とハグしあってる後をプーホールズはついていくしかない、というのもおかしかった。
 日本にもこういうリーダーが現れる日が来るんだろうか。

スタン・ミュージアル

 その始球式のボールをグラウンドカーに乗せられて持ってきたのが、ほとんど伝説の英雄といっていいカージナルス最初の永久欠番「6」だったスタン・ミュージアルだった。オントシ88歳だそうだ。しかしまあセントルイスカラーのエンジのジャケットが似合うかっこいいおじいさんだった。
 詳しい球歴を知らなかったが、Wikipediaを見てみると、生涯セントルイス一筋で現役を終えたこのオールスターにふさわしいじんぶつだということがまずわかる。愛称は「The Man(男の中の男)」だそうだ。すごいです。
 MVP3回、首位打者7回、オールスターの選出24回。記録についても記憶についても書ききれないほどだ。まさに伝説の男だ。まさにTHE MANと呼ばれるにふさわしい。生涯打率.331。3630安打、475ホームラン、1599打点。1958年来日した日米野球では稲尾、杉浦と言うこれまた日本の伝説のピッチャーからホームランを打っているそうだ。いやあ、それ見てみたかったなあ。
 こういう過去の大選手に最大の敬意を払う姿勢もMLBのすばらしいところである。私の大好きなヤンキースのクローザー マリアーノ・リベラなんてスター選手に憧れる少年のような笑顔でデジカメを構え、このおじいさんの写真を撮っていた。

ア・リーグの12連勝

 80回目のオールスターゲームは、2002年の引き分けをはさんでアメリカン・リーグの12連勝に終わった。ワールドシリーズの開幕権は今年もア・リーグのものとなった。
 ナ・リーグで活躍する日本人が少ないせいもあって、ナ・リーグの選手をあまり知らないので何とも言えないが、間違いないのはア・リーグのスタメンはすごすぎる。これは確かなことだ。この打順を見ただけでもうワクワク、ドキドキもんだ。
 今年はなんといってもナ・リーグの先発ティム・リンスカムを観るのが楽しみだった。独特のフォーム、いまどきアメリカ人だってあんまりいないと思われる挑発。細すぎる身体。それでもってあの球のスピード、奪三振の山。ワクワク度は投手では野茂以来かもしれない。
 イチローにいきなりクリーン・ヒットを打たれたのを皮切りに、エラーも絡んで2点を先取されるなど、結果は残せなかったが、堪能した。
 MVPはホームランを捕球して、ナ・リーグの勝ち越しを阻止したレイズのカール・クロフォード。このメンバーにもかかわらず1つの守備のプレーでMVPを手にするとは。珍事と言っていいだろうが、こういうところも日本ではありえない気がして、MLBの持つベースボールに対する純粋さ・誇り高さを感じる出来事だった。
 個人的には、抑えに登場したリベラのピッチングがまた、キレといい投球術といい、見事でうれしい限りだったことも付け加えておきたい。
 あー、楽しかった。1試合だけのまさに真夏の夢の球宴