ゲルギエフ、そして上原ひろみ。2009年書きそこなった2つの演奏会。

初めてのゲルギエフ。初めてのロシアのオケ。

 昨年(2009年)行ったコンサートで、このブログで書くつもりでいながら書けなかったものが2つあります。
 1つは、ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団チャイコフスキー・プロ。11月27日、愛知県芸術劇場。ピアノ協奏曲のソリストユンディ・リでした。初めて聴くゲルギエフは時に激しく、でもコンチェルトなんかでは落ち着いた指揮ぶりで素晴らしい音楽を聴かせてくれました。渾身の「悲愴」でしたが、エンディングのあとゲルギエフは明らかに長き沈黙を要求していましたが、観客の拍手が早すぎて、とても残念そうでした。でもすぐに「しかたない。これはこれでやむをえまい」というように、オーケストラを拍手の中に導きました。ユンディの演奏のテンポが速すぎて、全体をコントロールする姿とともに、これはい印象に残りました。
チャイコフスキー:交響曲第5番

まさに一期一会。上原ひろみ、初ピアノ・ソロ。

 もう1つは、上原ひろみのピアノ・ソロ・コンサート。12月9日。名古屋は三井住友海上しらかわホール。これもとても楽しいコンサートでした。
 デビュー以来毎年出かけてきたんですが、昨年は事情があって行けませんでした。2年ぶりに彼女の目いっぱいの元気をもらいました。
 「こういう風に音を出してるのか」と、ステージを観ないとわからないような、鍵盤だけでなくピアノ全体をつらって遊んでるような曲もあって、コンサートで初めてわかったこともたくさんありました。
 なんといってもタイトル曲の「Place to be」(なんとアンコールとして演奏するという演出でした)が最も印象に残りました。
 これもコンサートの中で彼女の口からきいたように思いますが(違ってたらごめんなさい)ピアノソロのアルバムは、今回の20代、それから30代、40代と各年代ごとに出すつもりなんだそうです。年代ごとに自分のピアノの音、演奏が変わるから、と。まったくどこまでもきちんと計画的で、かつその通り実現してきていることには頭が下がると言うか、まあ本当に恐るべき音楽家だと改めて思いました。これからの熟成にまた大いに期待してしまいます。

 上原ひろみはこんなことを言ってました。
 「どのコンサートも一度きり、ここだけの、今ここでしか聴けない音楽を精いっぱいの演奏でおきかせします」と。
 来年以降もできたら毎年行きたいと思っています。
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