仲間由紀恵の「手」〜「私は貝になりたい」の広告写真を見て

白く浮かび上がった手はロダンか誰かの手の彫刻を見るようでした

 今朝の新聞の広告を見て、一瞬でドキッとしました。それはあるDVDの広告の写真の中の「手」の美しさに、でした。
 それが仲間由紀恵の手だということに思い至るまでコンマ何秒かかかったと思います。私はその映画「私は貝になりたい」にまったく興味が持てませんでした。「今この映画を撮り直すことの何が面白いのだろう?」と。だからまったく興味がなかったけれど、主演の二人くらいは知ってました。(少し自慢げに言うと仲間由紀恵のデビュー時からのファンではあるのですが)。
 この写真はいい。子供がお母さん(仲間由紀恵)の首に腕をからませて抱きついている。脇の下から抱えあげた腕が白く子供の首に向かって伸びているんですが、その手の大きさ、ピンと張りつめた長い指ののびやかさ、力の入り具合、形の美しさに、率直に言って感動しました。迫真の演技だと思いました。
 あとから気が付きましたが、確かにそれは仲間由紀恵で、その目もまたこちらの心の奥まで見透かすような、悲しみか恐れを帯びながらも決してひるまない意志を一瞬で感じさせる強い母親の目に違いありません。なんだかすごい女優になってきましたね。

モノクロの力

 少しWEBで調べてみると、これは上映時のまさにポスターの写真で、本当はカラーなんですね。私はこのモノクロの写真のほうがずっといいと思います。カラーのポスターも見た記憶がまったくないですが、実際のところモノクロじゃなかったら、今朝の新聞も気にとめなかったかもしれません。
 こちらは悲しい目というわけではありませんが、昭和30年代に木村伊兵衛が撮った秋田の写真の中の一枚のとびきり美しい日本女性を思い出しました(村上龍のエッセイ集の表紙に使われているのを見てびっくりしました)。
村上龍文学的エッセイ集
 実際に映画を見に行かれて、いたく感動された方のブログを見つけました。
 ■http://blogs.yahoo.co.jp/hitomi231025/37601942.html

 私は見てないのでなんともいう資格がありませんが、映画のほうもいいのかもしれません。
私は貝になりたい [Blu-ray]