加藤和彦さんのご冥福をお祈りします。

 昨日ネットで一報を見て「えっ」と驚きました。その時点では詳しいことは何も分からなかったんですが、今日になってからの報道を信ずるなら、音楽制作の行き詰まリ−−うつ病と診断されていたということなので、鬱のせいでそう思い悩んでいたのかどちらが先なのかはわかりませんが−−、それを苦にしての自殺ということなのでしょうか。

 加藤和彦さんの音楽に深く心酔していたというわけではないんですが、その反体制的な精神は素晴らしいと思っていました。数年前の新生フォーク・クルセダーズの活動には注目してました。

 わたしの印象は「モテる男」。
 人気作詞家・安井かずみさんを病気で亡くした後、三人目の奥さんが世界的に活躍するソプラノ歌手・中丸三千繪さんでした。わたしは実は彼女の大ファンなんです。
 そこでわたしの加藤和彦さんのイメージは確定したのでした。「モテる男」−−こういい女と次々結婚する男とは、きっと才能のある、やっぺいいい男なんだろうなあ、と

 ほかにも、ロンドンで、たまたま見たロールスロイスが気に入ってしまって金も持ってなかったのに「これください」と日本に送らせたって話をどこかで坂崎幸之助か誰かがしてたのをききました。
 そういう意味ではある意味芸術家らしい、妥協しない性格というのも日本人離れした人だったのかもしれません。

 中丸三千繪さんと離婚してたのを知りませんでしたが、中丸さんは談話で「あんなにやさしい男はいない」ということをおっしゃっていて、男女の関係は他人には計り知れないものですが、(全く余計なお世話を承知)彼女の悲嘆がいかばかりかと慮らないわけにいきません。

 日本の音楽界では独特の立ち位置にいた稀有な才能だったんじゃないでしょうか。
 謹んでご冥福をお祈りします。
戦争と平和